かみかみおれんじ

子育ても息抜きもたいせつです

 血の婚礼・追記

※自分は、ロルカの戯曲については全く読んでいません。今回の舞台オンリーなので、見当違いの記述があるかもしれませんがその辺はご容赦願います。
昨日触れなかったことについて書いておこうと思います。考えてみれば、肝心の未來くんはじめ役者さん達のことについては全然触れていなかったなぁ。どの役者さんも良かったのですが、特に印象的な人たちについて。
先ず、何はなくとも江波杏子さん。彼女演ずる「花嫁の母」が実質的な主役なのでは?とまで言える存在でした。どこの国でも、いつの時代でも、「母親」*1というものはああいったものなんだろうか?と考えさせられましたよ。この物語って、要は「女」の話なんだろうな。女は大地。男は水、もしくは風。この舞台においては、男はとどまらずに流れ去ってしまうが、女はいつまでも一箇所にとどまって嘆くしかない存在。彼女は、そんなことを端的に示してくれたと思います。
次に花嫁さん・ソニンちゃん。舞台で彼女を観るのは二度目ですが、いつだって彼女は体当たりでスゴイや。後半での未來くんとの絡みは、肉感的でありながら一種格闘技のようでしたよ。この作品は、「演者と観客の戦い」と昨日記述しましたが、舞台上でのレオナルドと花嫁の「レンアイ」も戦いなんだと感じました。肉体的にも精神的にも、非常に疲れる役だとは思いますが、なんとか最後まで頑張ってもらいたいです。彼女はもっともっとやれるはず。
黒い男・新納さんもカッコよかったなあ〜。去年の「OUR HOUSE」でこの人、カッコいいと思いましたがその感をますます強くしましたよ。長身に黒いマント翻しが映えること映えること。踊るシルエットの演出がとってもステキでした。そんな彼とのからみが多い「月」と「少女」役の尾上紫さんも凄かったです。折れそうな手足であの痛々しげな少女を演じているのを見ると、見ているこちらの方まで辛くなってくるのですがそれとは対照的な「月」がより印象的で。「黒い男」と「月」のシーンはこの物語の中で一番抽象的でイマジネーションを掻き立てられます。そしてこの2人の絡みはレオナルドと花嫁のシーンよりエロティックよねえ…。マジマジと見ているとうわっ、いいんだろうかというキモチになるというか(笑)
あと冒頭のシーンで、刺される男と彼から引き離される女って新納さんと尾上さんでしたよね?黒い男が花婿の父親でもあるんで、刺される男=花婿の父親、引き離される女=花嫁の母と勝手に自分の頭の中で(二回目に観た時)理解しちゃってたんですがなんだか違うような気がしてきた…。黒い男と少女(月)、中々難しい存在でありますなぁ。
そして肝心の未來くん。自分は彼のファンなんで、客観的なことなんか書けないよー!という自覚はあります。でも、本当に彼の動きは凄かった。彼を見ていると、普段ロクにスポーツを見ない人間でも「躍動的に動いている人体の美しさ」を実感出来るというか。本来、「芸能」というのは一般の人には出来ない鍛え抜かれたワザを持つ人達が人前(舞台上)でそれを披露することから始まったんだろうけど*2、その本来のスガタをかいまみることが出来たというか。いやあ、この人はやっぱり動いてナンボの人だわ。ファン歴浅いけど、やっぱり彼は舞台上で跳躍しているのが一番ステキというのはすっごくわかりますよ!これはナマで見ないと本当にわからないだろーなー。
二日目の上手席だと、未來くんがこっちを見て踊っているシーンが多いのでもう一時たりとも目が離せませんでした。もうこんな近くで彼のフラメンコを観る機会は無いだろうと思うと余計に。カテコのフラメンコでは、観客みんなで手拍子をするんですがその手拍子すらするのも困難なくらいに、もう彼の踊りから目が離れない!イヤ、実際手拍子する力が残されていなかったんですがね…自分に。なんとか頑張って手拍子はしましたがね。
それ以外にもしっぽ付き髪型もかわいかったー。汗を拭く上半身がまぶしい〜などとミーハー心も十分にあったのですが、なんだかそういう気持ちも吹き飛んじゃったカンジでしたよ。
それにしてもああ上手くまとまらないな!やっぱり、グローブ座でもうちょっと観たいよ〜。上京交通費が欲しいよ〜。

*1:特に、「息子」を持った母親

*2:芸能史もロクにわからない人間の思うことですが