かみかみおれんじ

子育ても息抜きもたいせつです

 ラストフラワーズ 8/2 マチネ

ピースサイン”の意味はなんとなく知っていたけど、“フラワー”が「最後に一花」以外の意味合いを持つなんて気付きもしなかった世代です。

http://www.otonanoshinkansen.com/

大人の新感線「ラストフラワーズ」
[作]松尾スズキ [演出]いのうえひでのり [出演]古田新太 / 阿部サダヲ / 小池栄子 / 橋本じゅん / 宮藤官九郎 / 高田聖子 / 皆川猿時 / 粟根まこと / 村杉蝉之介 / 河野まさと / 荒川良々 / 山本カナコ / 平岩紙 / 保坂エマ / 星野源 / 村木仁 / 松尾スズキ
赤坂ACTシアター S列30番台

東京公演のチケット取りにことごとく撃沈していた「大人の新感線」ですが、ありがたくも譲っていただく機会がありまして久しぶりに上京&観劇してきました。ここ数年バタバタしてたので、なかなか新感線の舞台(シレラギ・五右衛門3・蒼の乱等々)は観られなかったけど、やっぱり好きだわ新感線。ジューダスが聴けなかったのは少々残念だったけど。

そんでもって自分、07年「キャバレー」の演出で松尾さんに苦手意識が発生していたので、今回も警戒していたのですが(笑)なかなか面白いじゃないのー!(上から目線)まあ、そんなこともあって今まで松尾作品って殆ど触れてこなかったのですが、いのうえさんの演出の為せるワザか松尾さんが新感線向けに遠慮したのか、今回に限っては氏の持つ毒っぽさやら露悪的な表現やらはそれ程気になりませんでした。でも、やっぱり新感線より「大人」テイストの方が強く感じられたかな。
そして、もろもろのネタの掘り方に関してはちょっと今更感があったかも。いや、一周回ってすごくタイムリーだった気もするけど(笑) その辺のネタの匙加減は、くどーさんの方が鋭く且つ古さを感じさせない気がしたなあ。でも、ネタ(●ッグダディとか)がかぶってたりする所はこの弟子にしてこの師匠ありというか、妙な感慨を覚えたぬるいクドカンファンの自分でありました。
個人的には「メタルマクベス」ほど衝撃的ではなく、「五右衛門ロック」ほどお祭り爽快感には薄く、「R2C2」ほどまとまりには欠けているというのが正直な印象です。しかしながら第一幕でキャラの大渋滞を起こしつつも物凄い勢いで物語が展開していき、あれだけ濃い面子を集めておきながら落とし処はふんわりとさわやかという不思議な魅力に溢れた作品でもありました。ずいぶんラブ&ピースな方向性で着地したのが少々意外でちと納得できなくもあるけど、そこが最大の魅力なのかもしれない。蛮幽鬼やワカ(しつこくてすまぬ)よりだんぜん腑に落ちました。
キャストについては、やはり古ちん無双というか。あの大黒柱っぷりぱねえですわ…!サダヲさんとじゅんさんは、ちょっと役柄的に物足りなかったかなー。粟根さん河野さんはなかなか美味しかったような気がいたします。小池さん聖子さん猿時さん良々さん紙ちゃんは持ち味が生きてて流石でした。そんな濃ゆい俳優陣の中で、全てを最後にさらっていく源ちゃんがおいしすぎますよー!ズルイ(笑)古ちんよりサダヲさんより源ちゃんがもう一度見たいなんて思うなんてあれあれという感じ。
ともあれ、全体的には心地好い作品でした。「私の居場所」の物語と呟いてる方がいらして、その辺の「家族」「ホーム」が根っこでとっつきやすかったから松尾さん作品でも大丈夫だったのかなーとも思います。
まあ、戯曲本買ったので読みながら細かいことはつらつら考えよっと。実は大阪のチケットは確保していたので、東京次第で遠征するかどうか迷っていたのですがやっぱ大阪も行こうかと。源ちゃんのラストのあれが耳から離れないですよ。来月が楽しみです。

あと、今回赤坂行ってやっぱ新感線好きだわ〜ともしみじみ実感いたしました。来年のオールキャストは是非!行きたいと思います。がんばろうチケ取り。三宅マン出てくれないかな三宅マン。