かみかみおれんじ

子育ても息抜きもたいせつです

 まさしく、OVERCOME

今更だけど、ジェーニャのユーロ優勝について思ったことをちょろっと。

今回のユーロ、実はジェーニャが優勝するとは思っていませんでした。そればかりか、ここらでジェーニャも「常勝の呪い」から解き放たれた方がいいのでは?とまで考えておりました(苦笑) 
いや、マジメな話、17歳のワールドを最後に台落ちしてないって(※但し棄権・ブランク有)相当なプレッシャーじゃないかなあ…と。さらに今回はあの女傑姉さん女房・ヤナが泣いてしまったたほどの酷いコンディションらしいし、EXに出られるだけでも御の字だろうと覚悟を決めていたら…まさかまさかの7度目のヨーロッパチャンピオン!という結果に。

…すみませんジェーニャ、「常勝の呪い」だなんてほんっっとうにおこがましい心配でした!!まったくもって失礼千万でした!!! とロシアに向かって土下座したくなったくらいです。今回ばかりはつくづく彼の恐ろしさを思い知りました。なんて誇り高き「氷の王者」なんでしょうか…!!!


あと、このFSの演技を何度も見ていると、彼は彼なりにかなり変わったんじゃないかということに気付きました。新採点により対応してるとか、一般ウケしやすいプログラム&衣装だとかそういう点ではなくって、ジェーニャ自身が。
演技終了直後のどこか焦点が合っていない、なにかが憑依しているかのようなまなざしにはちょっとゾッとしますが、それよりも今まで見たことのないような心の底からのガッツポーズ!にかーなーりビックリしました。GPFスーパーファイナルのワンス以来のガッツポーズじゃないでしょうか。
一回目の復帰のロステレコム杯でもガッツポーズやナンバーワンポーズは見られましたが、今回はその時と比べ物にならないくらい「心から勝利を喜んでいる」ガッツポーズのように自分には感じられました。乗り越えるべき壁が高ければ高い程、それを克服した時の喜びはより大きなものになる…彼の姿からはそんな、根っからの「ファイター」の生き様がありありと浮かびあがってきていて、凡人としてはひたすら驚嘆するばかりです。

彼のソチまでの残り丸二年間の道のりは、ある意味「常識との闘い」となるでしょう。常識というか、無意識の悪意というか。そんな、「もう競技年齢的に歳をとりすぎているから」「怪我がひどいから」「最盛期を過ぎているから」「なにをやってもプルシェンコだから」「若手の時代だから」という世間の常識・悪意を吹き飛ばしたのが今回のユーロの結果だったのだと思います。よくよく考えれば姿が見える敵よりやっかいな敵だろうけど、11歳から闘いに身を投じてきた「戦いに生きる」ジェーニャにならそれが出来る!と信じています。

それにしても、どうしてここまで彼を応援する羽目になったんでしょうか…(笑) ジェーニャのスケートからは、「自分にはスケートしかない」というある種の潔さ、転じて怖さ、クレイジーさを感じることがあります。「僕のこと嫌いな人は多いよ」「でも負けないよ」とさらっと言ってしまうスーパーポジティブ?(負けず嫌い)な精神力にも恐ろしさを感じることもあります。その一方、どこか突っ込みどころ満載な言動やリンク外での姿とのギャップに惹かれるところもあるし、とにかくそのある種の常識外なスケールが魅力ってことでしょうか。
あと二年。ドキドキハラハラが続くでしょうが、精一杯応援していきたいです。