かみかみおれんじ

子育ても息抜きもたいせつです

 告白

昨日、「告白」を観にいってまいりました。いやあ、ウワサにたがわず凄かった。

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(※以下ネタバレ)

内容が内容だけに、「面白い」と言い切ってしまうのは憚られるのですが…。うん、正確には「スゴイ」というのが表現が当てはまるかな。
取り敢えず、徹頭徹尾救いようのない物語です。賛否両論だとは思いますが、個人的には森口先生の行動を頭ごなしに否定することは出来ません…。むしろスカッとしてしまったと言ってもいいかも(汗)
「犯人」である生徒たちの描写は、悪意に凝り固まっているとか13歳をバカにしているとか、様々なコトバをちらっとネット上で目にしたけれども、まー、あんなもんじゃないですかね、今も昔もあの年頃の子どもたちって。
最も思い出したくない頃の自分をも取り巻いていた「教室」という世界が、この映画の中では見事に「再現」されています。何か実現出来る程知識も行動力も無いちっぽけな存在の割りに、得体の知れない万能感に支配されている年頃の人間が、明確な目的もないまま集められひしめきあう「教室」という空間。
少年A・B・美月に限らず、いずれも皆どこか歪み*1を持つ少年少女たちですが、彼らが自ら招いてしまった不幸は、彼らがその閉鎖空間に居続けなくてはならなかったからこそ生まれたんじゃないでしょうかねえ。まあ、もちろん義務教育だから仕方ないだろうけれども、ね。
自分、イイ歳にも関わらず(笑)主に森口先生の復讐心に恐怖を覚えるというより、あの空間には二度と戻りたくないなあ…という方向で恐怖心が芽生えてしまいました。うん、おそらく、お子さんをお持ちの方々はまた別の感想をお持ちなんじゃあないかな。



ああああ、上手く考えがまとまらないよ!決して、DVDで見返したり何度も観たいタイプの作品じゃあないんだけれども、もう1度くらい劇場で観たくなってきました…。
この作品は、題材が題材にも関わらず映像がとても美しいので、劇場で見た方が良いかと思われます。特に印象に残ったのが「水滴」と多用されるスローモーションとラスト近くの爆発の演出ね!水溜りのしぶき・雨・花の滴・涙・血など、とても象徴的。あーとーはー、このカントクは相変わらず音楽の使い方上手いなあーとか、Bくんの錯乱シーンはいかにも中島節っぽいなあとか断片的には浮かんだけど、作品全体の悪意と後味の悪さに呑まれたせいかディティールはあんま覚えてないや。


もう一つ、忘れちゃいけないのが役者陣の上手さ!
主演のお松さんは、舞台のお松さん*2をホーフツとさせる鬼気迫りっぷりで。ラスト、あの表情はゾクッと寒気が走る程の恐ろしさでした。まさしく、鬼の形相。道端での慟哭シーンも、あまりの真の迫りっぷりに演技とは思えなくってね…。
A・B・美月のメイン生徒3人も、凄く達者でした。A役の役者さんは、Dボの弟分グループに所属してんのねー。これからに期待が持てそうな子だなあ。美月役の子もかわいいんで人気が出そう。それにしても、R15+指定なので、この子たちは出演者なのに作品が今すぐは見られないとは、ちょっとかわいそう(笑)

それにしても、後味悪いのに落ち込んでしまうような作品ではないのがとっても不思議です。その点では、同カントクの「松子」の方が精神的にキたかもなー。センセーショナルな宣伝の仕方はしてるみたいだけど、あまり説教クサさとか、社会に対する問題提起的なものはさほど感じられなかったのも不思議。

…やっぱり、書けば書くほど考えがまとまらなくなってきました。
もう寝ます。

*1:主に家庭環境から生じた

*2:つーか、ランダムスター夫人