かみかみおれんじ

子育ても息抜きもたいせつです

 秋のクドカン祭第2弾 印獣・11/21マチネ

ようやく、観られました。

http://www.parco-play.com/web/play/inju/

パルコ・プロデュース公演 “ねずみの三銃士”第2回企画公演
「印獣」 ああ言えば女優、こう言えば大女優。

作:宮藤官九郎
演出:河原雅彦
出演:三田佳子/生瀬勝久池田成志古田新太/岡田義徳、上地春奈

★シアター・ドラマシティ 7列センターブロック

面白かったー!
どちらかというとスッキリしない、終劇後にはおもーいココロを抱えて帰宅する羽目になる部類の舞台ですが、個人的にはすんごくスッキリしました。先月「蛮幽鬼」を観た時から感じていた、喉の痞えがやっと無くなったぞー!やたー!

やっぱ、自分、中島さんよりクドカンの方が好みだなということも改めて実感したり。まあ、個人の嗜好のモンダイだから仕方ないことやね。その辺、色々思ったことはおいおい…。

えーと、今年のクドカン脚本舞台のデキは、(未來オタである自分ならずとも)R2>蜉蝣であることは認めざるを得ない事実だと思われますが、この「印獣」はR2に匹敵すると言ってもいいでしょう。つーか、R2(=ロックオペラ?)と印獣(=ホラー?)じゃジャンルが違いすぎて、どっちが上だ!とか安直に判断出来ないや。
んー、くどーさんのモノカキとしての本気度は、この作品の方がより強く感じられた、カナ? R2でもクアトロ様がクリエーターの苦悩をにじませていたけれども、こちらはより「作家」*1の業というものを突き詰めているというか。
もっと言えば、自分、こんなに真面目なクドカン作品を初めて観た とまで言っちゃってもいいかもしれません。もちろん、氏の作品の根底に流れているものは至って真面目なものだったり、至極シビアなものだったりすることは知ってるし、そこを真っ直ぐに表さずに混ぜっ返して表現するその匙加減とヒネクレ具合(?)が好きだったりするんですが。
しかし今回は、(もちろん下ネタもグダグダネタもあるにはあるけど)本当に、直球でした。そしてそれは、「主演女優・三田佳子」の真っ直ぐな女優魂と、くどーさんの真っ直ぐな作家魂(?)のふたつが重なったからこそ為せるワザだったのかもしれません。
それにしても、三田さんは本当に凄かった。ラスト付近、三田さん演ずる女優・長津田麗子の独白に、思わず目が潤んでしまったくらいだし!まさかこの演目、泣けるとは思っていなかったので余計びっくり(笑) 彼女の娘に対する愛憎、クドカン作品的にはちょっと田村親子のことも思い出したりもしましたが、三田さんが演じるからこそ余計グッときましたねー。くどーさん、イジワル(それとも親切?)だなあ…。
もちろん、古田さん・生瀬さん・成志さん*2も良かったですけどね。この三人のキャラクターと、役柄である作家のカラーが一致していておんもしろかった〜。

この作品、もうちょっとアタマの中を整理して観たらもっと面白いと思うので、もう1回観たかったです。是非、WOWOWで放映して欲しいなぁ。

*1:まあ、ご本人曰く「作家懲らしめ三部作」のうちの一つだという話だし

*2:ヘソと腰さばきがキュート!