かみかみおれんじ

子育ても息抜きもたいせつです

 春のくどーさん祭り第二弾・「蜉蝣峠」



http://www.kageroutouge.com/

いのうえ歌舞伎・壊(Punk) 「蜉蝣峠

作:宮藤官九郎 
演出:いのうえひでのり
出演: 古田新太 堤真一 高岡早紀 
勝地涼 木村了梶原善粟根まこと 高田聖子 橋本じゅん 他

赤坂ACTシアター 
 3/21マチネ(1階C列センターブロック)&3/21ソワレ(1階P列下手サイドブロック) 

というわけで、マチソワしてきました「蜉蝣峠」。
まさか、新感線で最前列のセンター席に座れる日がくる*1とは思ってもいませんでしたよ…!でもって、新感線ほど最前列で観るのに不向きな舞台もないな、ということもつくづく実感出来ました(笑)。だって、冒頭のジューダスからフットライトは眩しいわ、スモークは煙たいは、映像は見え辛いは、カテコで古田さんの飛沫がかかりそうになるわ…w
P列の方が、お芝居自体は堪能出来た気がします。まあ、一生に一度くらいこういうことがあってもいいか。



※以下、容赦なくネタバレにつき、要注意!


作風&くどーさん脚本について

本公演の「蜉蝣峠」は、ご存知の通りいのうえ歌舞伎「壊」なのでありまして。
「壊」と銘打っているだけあって、だいぶ中島かずきさん脚本の「いのうえ歌舞伎」を期待している人には肩透かしな作風だったんじゃないかなー、と思います。もしくは、前公演の「五右衛門ロック」で新感線を知って好きになった人にとっても、「???」な作品だったんじゃないでしょーかねー。
自分、05年から新感線を観るようになったんで、「中島かずき」脚本がなんたるかを語ることはまだ出来ないということを前置きして、ちょっと言わせてもらいますが。
なんつーか、前公演の五右衛門も、本公演の蜉蝣も、1幕はどっちかというととっちらかっているような印象を受けたんですよね。それでも2幕になったら、「五右衛門」はそのとっちらかったピースが一点突破というか、キレイにまとまってカタルシスを得ることが出来たんですけど。「蜉蝣」については、結局最後までとっちらかったままというか。
まあ、そもそもくどーさんの作品でわっかりやすーいカタルシスを得られたことがあったか?というのもあるんで、これが両者の作風の違いなんですかねぇ?それでも「メタルマクベス」の時は、とっちらかりつつも音楽のパワーと、「原作:シェイクスピア」という背骨が通っていたんで、そこまで散漫な印象は受けなかったんですが、ね。

それでも、この作品を気に入らなかったのか?と問われると、そういうわけでは無い…んだよなあ。分かり易い快感は得られないけれども、後でジワジワくるというか。分かり易くない分だけ、深読みも出来るというか。
今回は残念ながら、この2公演しか観る予定はないのですが、もしあと数回観る機会があったら、もっと色々感じ取れる気がします。…これって、DVD買えっていうことかなぁ(笑)

あー。それと、くどーさん脚本ってことで覚悟(?)されてる方はいるとは思いますが、今回はタイトルが出る前からウ●コチ●コ盛りだくさん大サービスですよ!
…果たして「R2C2」は大丈夫だろうか(笑)

キャストについて(劇団員&準劇団員のみなさん)

今回の古田さんは「五右衛門」の時と違い、まさしく「主役」でした!立ち回りも、前公演より気合が入ってる気がしたなー。「闇太郎」は、決して格好よい役じゃないんだけど、むしろラスト付近では「弱さ」がクローズアップされている役柄なんだけど、そのみっともなさがグッときます。まさか、ラストであの人に××されるとは思ってもみませんでしたよ…。
堤さんはね、コスチュームからして卑怯!コスチュームと言っても、決して●●の時のことじゃなくって(笑)「天晴」の時の格好のことですが。長髪着流し姿で、古田さんとの立ち回りが見られるなんて、ひっじょーに眼福でありました。今回は関西弁も聴ける*2しさ、もうメロメロだね!あーんな弟を持ったんじゃあ、聖子さん演ずる姉・お寸も何度も離婚しちゃうよなぁw
じゅんさん&聖子さんのラブラブ(?)夫婦もかわいいし、粟根さんの流石先生は…ナマで見た粟根さんキャラで、もしかしたら一番好きかもしれない…。今回、あの風体にちょっとよろめきました。
他の劇団員の皆さん(主に男性陣)も、中島さん脚本の時より扱いが良い*3様な気がしたんだけど、気のせいでしょうか?あと、右近さんが結構痩せていて、最初誰だか気づきません*4でした!(笑)
善さんは、やっぱり善さんだなー。なんだか安定感がありました。彼が演じる「がめ吉」はこの物語における唯一の善人(?)だと思っていたので、最後まさかああなるとは…。つくづく、この作品って分かり易い悪人・善人という構図に当てはめることが出来ない物語だと思います。

キャストについて(客演のみなさん)

高岡さんに関しては、やっぱり世間一般的な「魔性」イメージwがあったので、今回の「お泪」役で良い意味でそのイメージを裏切って下さった様な気がします。悲しい女性なんだけど、なんかチャーミングなんだよねぇ。がめ吉の言葉じゃないけど、彼女だけは幸せになって欲しいものです。
Wりょうくんについては、もう、何と言っていいのか…w これも、くどーさんの若人に対する愛のムチ(?)なんですかねえ。確かに二人ともかっこかわいいんだけど、仮にも「いのうえ歌舞伎」と銘打っている公演なんで、もうちょっとカッコよく殺陣なんかで活躍させてあげればいいのに〜。特に木村くんのサルキジについては、もっと描写が欲しかったなあ。ガンマン風のコスチューム&ヘアスタイルがお似合いで、ルックス的にはパーフェクツなのに、勿体ないよ〜!

気付いた日替わりネタ

  • タイトル出る直前、闇太郎が銀ちゃんの名前を呼ぶ辺りのやりとり
  • 流石先生のうんちく話の内容
  • なるしセンパイのモノマネ&それに対する闇太郎の反応
  • 関東取締出役・吉田の好きなもの

今、思い出せるのはコレくらいです。

その他、気になること

(※超ネタバレにつき、注意!)


それにしても、何故彼が「軍鶏」だったのかがわーかーらーなーいー。なにか、元ネタがあるんでしょうかねえ?それとも、単純に江戸時代で食用とされていた動物を消去法で採用しただけ??
あと、どーしても腑に落ちないのが、銀ちゃんがサルキジを殺す意味、なんですがねー。そもそも、闇太郎&天晴&お泪の物語と、銀ちゃんとサルキジの物語があんまりリンクしていないというか、切り離されている感じがしちゃうんだよなー。
以下、勝手な自分の解釈なんですが。「走っている姿が好き」「カッコイイ」という言葉どおり、銀ちゃんにとってはサルキジが自分が失った理想の「男」の姿だったのに、それが裏切られたので殺した…とか。もしくは、不完全な性をかかえる銀ちゃんが、サルキジの真実を知ることによって完全なる性を備えているサルキジに嫉妬した??とかー?(だって、今更立場を交換しようといわれても、銀ちゃんはもう“男”ですらないんだからねぇ)

うーむ。DVD(いつになることやら)出たら、じっくり考えようと思います。

*1:未來さんのRENTなんて、最前列はおろかセンターブロックすら座れなかったのに・笑

*2:姿はアレだけど…

*3:これはメタマクの時も思ったんだけど

*4:扮装のせいもあるけど