かみかみおれんじ

子育ても息抜きもたいせつです

 新感線プロデュース いのうえ歌舞伎☆號『IZO』(※2/17追記)

※なんか結構言いたい放題になってしまいました。すみません。

新感線プロデュース いのうえ歌舞伎☆號『IZO
http://www.vi-shinkansen.co.jp/index.html

作:青木豪
演出:いのうえひでのり
出演:森田剛 / 戸田恵梨香 田辺誠一 / 千葉哲也 粟根まこと 池田鉄洋 山内圭哉
木場勝己 / 西岡徳馬

25日マチネ、1回こっきりの観劇でした。自分の幕末知識は大昔に受けた日本史の授業と、「竜馬がゆく」「新撰組血風録」「燃えよ剣」などの司馬作品と山田風太郎の明治モノ、テレビドラマ「竜馬におまかせ!*1程度のモノで、幕末マニアとは程遠いカンジでありまして。尚且つ、ネット上での評判は賛否両論(新感線ぽくないとか、暗いとか…)だったんで、どうなんだろーと思いつつ青山劇場まで出向いたのですが…。
すんごい、泣けた。
いやー、観劇でこれ程泣いたのは久しぶりだわ。

脚本について?

こちとら、ナマで新感線観はじめたのは「吉原御免状」からのぺーぺー*2なんですが、ナマで観た演目の中では「メタルマクベス」の次くらいに好みでした。もうね、すっごくストレートな脚本で。いや、なんつーか、自分…今まで見たことのある新感線作品の中では、中島かずきさんより他の脚本家が手掛けられた作品の方が好きかもしれん…。ということに気付いてしまいました…。
新感線といえば中島かずきさんが座付き作家というのは重々承知しておりますし、やっぱ中島さん脚本じゃないとネ〜という昔からの新感線ファンの方がほとんどだというのもわかっております。しかも、自分はアカドクロ以降しか見たことないし、中島さんが脚本を手掛けられたグレンラガンも特撮のゲスト回も見たことはないので、自分がわかる範囲内でしか判断は出来かねるんですが。何と言えばいいんだろう…。自分がオタク趣味であるせいか、中島さんの脚本のオタクくささが妙に目につくんですよね。イヤ、その「オタクくささ」に関して具体的に例を挙げろと言われると困っちゃうし、そもそも、新感線自体がマンガ的世界を背景としたおポンチギャグ劇団じゃん!といわれればそれまでの話なんですがね。それでも、いのうえさんの最近のインタビュー等で読み取れる「人間ドラマに重きを置いていきたい」方向性*3と、中島さんの脚本とはあんまりソリが合わないんじゃないかなー、などとチト思ったりして。
まあその辺は置いといて、「IZO」の感想の続きですよ。ラストは素直に切なくて、やりきれなくて、泣きながら「岡田以蔵」という若者の太く短い人生に思いを馳せちゃいました。今でも、ラストを思い出すと泣けてきます。確かに、物語の序盤は地味かもしれませんが、一幕ラストの以蔵の暴走(?)辺りからグッと物語に引き込まれていき、以蔵の転落〜ラスト付近ではもうボロボロでした。正直、歴史ドラマを現代の人間に当てはめて考える*4のは正直ニガテな方ですが、本作品については劇中の登場人物の生き様が、現代社会に生きる自分の境遇にまんまとオーバーラップさせられてしまって…。

演出について

一幕ラストの殺陣、廻り舞台の演出がかっちょえー!とか、武市失脚後、山野を流離う以蔵のもの悲しげな姿に劇中歌である「声」が流れる辺りなんて泣かせのポイントを突きすぎていて卑怯だ!とか細かく言いたいことは沢山あった筈ですが、結構記憶がアイマイになってきてしまっていまして…。ただ、演出についてひとつ言いたいコトがあったのは覚えてますヨ。ま、ひとことで言うと「映像使うのはいいけど、CGのクオリティアップを要求する!」てことですかね。映像を使用することに関しては別に文句はないんですが、メタマクの近未来世界感でCG(ドット絵がかわいかった)を使うのと、シリアスな幕末モノでCG(なんかショボイポリゴン)を使うのとでは随分意味合いが違ってくるような気が致しまして…。なーんか、CGと今回の世界観があんまりマッチしてないようにも感じちゃったんだよな。せめて実写と見紛う程のクオリティだったら良かったものの、いかにもCGです!(特に人物)な映像だとちょっと萎えるんだよなー。まあ、不満だったのはそれくらいですかね。

キャラクター及び役者さんについて

アテ書きだというのはわかっているけれども、剛くんの以蔵はハマり役だったな〜。あの野性味と色気、妙な犬っぽさが「岡田以蔵」とはもしかしたらこういう人間だったのかもなーと思わせるくらいに。いやはや、●ャニーズ恐るべし&いのうえさんの慧眼に乾杯。
あとは、何と言っても池鉄竜馬萌え。ぷらす、粟根勝りん*5燃え!!元々勝海舟は好きだったんだけど、アワネさんがあのべらんめぇ口調で演じてるのを観たら勝りん燃え心が再燃致しました。いやー、たまんないなー。そんでもって、イケテツさんは初めて拝見したんだけど、もう存在自体が卑怯ですね。あの竜馬には惚れずにはいられまい!ギャー、ス・テ・キ★ 劇団員では、右近さんも河野さんもさとみさんも「らしい」役で良かったですー。いや、それにしてもイケテツ竜馬が素敵すぎで…(以下エンドレス)
まあともかく、DVDが出たら確実に買うだろうことは想像に難くありません。ゲキ×シネ化お願い致しますよー!

*1:組!は途中脱落…

*2:アカ・アオ・シローはゲキシネのみ

*3:IZOのパンフのいのうえさんロングインタビューでも、その辺詳しく述べられてるけどね

*4:「戦国武士に学ぶ××〜」みたいな本とか

*5:幼名が勝麟太郎だから