かみかみおれんじ

子育ても息抜きもたいせつです

 ロープ・12月30日ソワレ

http://www.nodamap.com/02rope/gaiyou.htm

作・演出・出演:野田秀樹
出演:宮沢りえ 藤原竜也 渡辺えり子 宇梶剛士
   橋本じゅん 三宅弘城 松村武 中村まこと
   明星真由美 明樂哲典 AKIRA 他

去年の観劇収めとなったのがNODA・MAPの「ロープ」でした。自分、野田作品は学生時代に「贋作・桜の森の満開の下」をビデオで観たくらいで、ナマで観るのは初めて。会場のBunkamuraシアターコクーンも来るのは初めてというおのぼりさんなんですが、いやあ、Bunkamuraってーのは、なんかもう 「ワタシタチ、文化人デース」 みたいなニオイがプンプンする場所ですなー。文化不毛の地に住むモノにとっては少々眩しいスポットというか。
加えて、自分のようなエンタメ好きなオタクにとっては、野田作品ってなんか敷居が高いというか苦手意識があったりなんかして。前述の「桜の森の〜」ビデオを観た時も、なんかわけわかんない話やなー、というのが取り敢えずの感想だったような覚えがあるし。
でも、今回の「ロープ」については、前半部の展開にアタマが混乱しつつも終盤に向かうにつれ加速度が増していくのを感じながら物語の持つ混沌さがひとつに向かって収束していくスゴさを味わえたような気がします。ええい、我ながら何書いてんのかわかんないや。ただ一つ自分にもいえることは、独特な隠喩を交えつつも今回の話は超ストレートな剛速球だった、ということでしょうか。そのストレートボールでもってガツンとアタマを殴られたような衝撃を覚えました。そこでふと思い出したのが、映画「硫黄島からの手紙」を観た時のこと。両者とも題材が題材だけに同じような衝撃を覚え、且つ、「面白かった!」「カンドーしましたぁ〜」 という単純な感想は間違っても出てこない、出てくることを憚られる重い作品であったな、と。
…ひっじょーに曖昧模糊っちゅーか、具体的でないモノイイというか感想(になっとらんわ)なんですが。この作品*1については、おいそれと安易に感想を書けないですよ。もーちょっとリピートでもしたら、明確に出来ることもあるかもしれないけどね。しかし、「舞台ならでは」の感覚を存分に味わえたということははっきりと断言できます。そして、野田作品って役者目当てで観る演目じゃないんだな、ということも良くわかりましたねー。いや、別に役者さんがイマイチだったというわけではなくて、作品が役者を呑み込んでいるというか、作品世界が圧倒的というか、作品あっての役者というか、そういう力があまりにも圧倒的で。でも自分、そういう感覚嫌いじゃなかったです。次回、野田さん作品の公演があったら是非観に行きたいですね。

*1:硫黄島も同様ですが