かみかみおれんじ

子育ても息抜きもたいせつです

 ドラマ版「嫌われ松子の一生」について

先週木曜に、ドラマ版「嫌われ松子の一生」を観てからドラマ版についてひっかかっていたことが結構あるんで、ちょっと吐き出し。あんまりぐるぐる考えていたんで、上手くまとめられないんだけどねー。
先ず、言えるのが「映画版を引きずりすぎ!」ということかな。映画版が陸上でいうなら短距離、ドラマ版が長距離だとすれば、ドラマ版はドラマ版なりの表現方法があるはず。長距離であの短距離のテンションが持つ筈が無いし、物理的に不可能。そして、映画版は中島監督という特殊なクリエーターあってのあのテンポ・あのコメディ演出だったんで、それを下手に真似しようとしても土台無理だという話で。
そもそも、原作を自分は読んではいないのだけど、原作はコメディのかけらも無い内容らしい。(そりゃそうか)だから、ドラマ版のあのちょっとコメディっぽい音楽とか、その他モロモロは映画版の影響だというのは容易に想像出来る。まあ、確かに映画版あってのドラマ版だとは思うんだけど、当初原作に忠実にという話もあったみたいだから、原作に忠実にというのなら野島伸司バリにくら〜くするとか、昼ドラちっくにトンデモ不幸っぽくするとか色々やり様はあったはず。そこが、中途半端に映画版の雰囲気を混ぜたから始末におえなくなったわけで。もし、原作に忠実にくら〜く展開させたら、お茶の間で見られなくなる内容になりそうだったからハンパに映画版ちっくにコメディっぽい要素も混ぜてみました〜、てな事情だったらそもそもドラマ版の企画自体間違いだったんじゃ…なんて思っちゃうよ〜。
その次に、主人公・松子を演じる内山理名さんについて。内山さんも一般人に比べれば本当に美人だとは思うんだけど、どうもわりと身近でその辺にいそうな美人であって。対する映画版の中谷美紀さんはなんというか、その辺にいない美人であって。だから、ぶっちゃけ言って、セクシャルなシーンを内山さんが演じるとミョーにナマナマしく感じちゃうのよねえ。中谷さんは浮世離れした美人だから、ある意味現実味に欠けてるから離れた目で見れるというか。本当、ドラマ版はこれからもっと濡れ場が増えてくる筈なんで、その辺を期待してる(笑)視聴者にとってはナマナマしいのはイイのかもしれないけど、ねえ。あんまやり過ぎも視聴者引いちゃうよ〜。
そして最後は、「中島監督はウソツキだ」ということに尽きるかな。言い換えると、「上手くウソをつく天才だ」。それはなにかっていうと、ドラマ版松子の髪が茶髪だということから思いついたんだけどね。あの時代、あの地方で中学教師が茶髪なんてありえなーい!現代の高校教師でも、茶髪にしてると生徒に色々言われるんで黒髪にしてるという事実があるんだぞ。*1対する映画版の松子は、教師時代は黒髪編みこみでスーツ、渡し舟(!)で通勤なんだけどね。他にも第1話を見る限りでは、あまり昭和46年らしさを感じないというかさー。まあ、この問題(当時の時代描写)については、これからの話でおいおい描いていくのかもしれないので、テレビ版が全くダメだとはまだ断言は出来ないんだけどねえ。
まあ、中島監督も時代考証をすんごく詳細にやってる感じでもなさそう。だって、当時、渡し舟で通勤してたか?と言われるとちょっと「?」な感じだし。渡し舟、画ツラ的にそれっぽいから*2やっただけかもしれないしねー。松子が故郷に帰って笙と会うシーンも、年代的にあの車じゃあ古すぎなんじゃ?ていうツッコミもあるみたいだし。所々松子の一生に挿入される時代背景も、わざとらしいというかベタすぎるというかちょっとやり過ぎな感もあったしさ。でもそれは、「やり過ぎでもそれっぽく見えれば全てよし」てな感覚でやってるような気がして。そしてそこが、中島監督は上手くウソをついてるなー、と思った所であって。ウソをついてるということに関しては、中谷さんの著書、「嫌われ松子の一年」に次のような記述があったりして。

「四十歳以降にCGを好きになったんですか?」
「二十代三十代は、人生の機微とか大好きだったんだよね」
「普通二十代三十代はCGを多用して、それ以降にシンプルになっていくんですよね。普通の人と真逆ですね。監督の若い頃に会いたかったですよ」
(略)
「ウソくさいウソと、本当みたいなウソがあると思うんだけど、僕はウソくさいウソの方が好きなんだよね」

うーん、面白い人だ。監督も中谷美紀も。
と、それはともかく、映画版DVDが出てからじゃないとハッキリとは言えないんだけどねー。上手くまとまらないけど、こんなもんで。

*1:但し、S岡県のI豆地方についてだけど。都会については知らん

*2:そのシーンは「二十四の瞳」のパロというウワサもあるらしい。他のシーンでも、ラスト近くの星空を良く見るとオリオン座がいっぱいあったり、松子のごみ部屋に昭和天皇マッカーサーの写真が掲載されている新聞紙が貼ってあったりするように見える。後者の新聞については・・・いくらなんでも時代は合ってないだろ!・笑